ある事件の影響で発達障害の子供を受け入れない親の責任や家庭への支援をするべきだという意見がネット上で見られました。
それに対しての結論は
いわゆる定型発達の子供達の中で困りごとのある子供は誰でも支援を受けられるようにするしかないと思います。
子どもに障害がある親の気持ち
自分の子供が普通の子供と違う…障害があるかもしれないと言った親の悩みや苦悩というのは凄まじいものがあると思います。
私は自分の母に「子供に障害があるのに正気でいる方が難しい。」と言ったそうです。
いえ、私は全然覚えてなかったので驚きましたが・・ずいぶん母に心配かけたと思います。
確かに長男くんの育てづらさ全開だったころ気持ちが暗くなって横になったり息苦しさを覚えたり随分辛かったことを覚えています。
障害の受容に関してはいろんな意見があるかもしれませんが基本的に他人が無理に押し付けることではないと考えています。
親が子どもの障害を受け入れないと療育は受けられない?
子供が療育を受けようとすると必ず出てくるのが「契約」という手続きです。
公的な療育センターの児童発達支援でも必ず契約書類がありますし、民間の児童発達支援を利用するには自治体に対して児童発達支援通所受給者証を申請しなければなりません。
相談支援事業所と契約することもあります。
受給者証が発行された後も通う児童発達支援事業所と契約をすることになります。
私も何やら良くわからないまま子どもにとって良かれと思って手続きをすすめました。
契約の時に「契約書に障害って書いてあるけど長男くんに障害があるとかじゃなくて…そういう施設の名称なだけだから☆」と説明されました。
保護者の心情をずいぶん気遣ってくれていたと思います。
親が契約を拒否すればいわゆる療育的なものには通えないことになります。
療育センターに新しくお友達が増えるタイミングというのは1歳半健診、3歳健診などでひっかかってきた(言い方悪いけど)子が通ってくるということになります。
長男くんと同じ年齢のお友達でも長男くんよりも通うのが1年以上遅いお友達が入ってきた時もありました。
お母さんは「前から勧められていたけれどなかなか来る気になれなかったの…。」とお話しされていましたし
見学に来る方は結構いるのに通うお友達がぜんぜん増えない年度もありました。
個人情報が保護されている為、支援機関が先回りして支援することはできない
個人情報が保護されているため、親の許可がなければ複数の機関で連携して支援することは難しいでしょう。
保健所であったり、児童発達支援事業所や小学校など複数の機関が事前に連携することで負担なく保護者をケアできないかという意見を見かけたことがあります。
しかし実際的にはそれはできません。
現代では個人情報がしっかり保護されており、子供の保護者の許可なしに子供の情報を外部に伝えることはできないからです。
私も転勤の際に保健所の担当者の方から転入する自治体の担当者にお子さんの情報を伝えてよいでしょうかと事前に問い合わせがありました。
そして、親が断れば当然情報は伝えられません。
親の意思に反して子供の情報を共有することはできないからです。
医療機関の作業療法士、言語聴覚療法士などによるリハビリも親が主体的に受けさせようと思わなければ受けることはないでしょうから親の理解がなければ子どもが療育を受けるのは難しいと思います。
結局、定型発達の子ども達の中でいかに支援していけるかの問題
児童発達支援や医療的な療育(作業療法、言語聴覚療法)などを受けられることを選択しないということであれば
結局は定型発達の子どもたちの集団の中でいかに困りごとがある子供達のフォローをしていくか…ということに尽きると思います。
発達障害の子どもの育ちは親の次第?
子どもにとってよい家庭環境に親との良好な関係は欠かせないでしょう。
ただ、発達障害の子どもの育ちが親次第かということについては私は全くそうは思っていません(笑)
発達障害の子どもの育ちは親次第という意見には
親の自己責任論を感じます。
もちろん、それだけではなくて
子どもに対して親の関わり方の工夫の余地はある。それによって子どもの困りごとが減る!子どもが成長できる!という希望もあるかもしれません。
私自身、長男くんの癇癪やパニックに対して言葉かけやスケジュールの提示、刺激をさける環境面の工夫など取り組みをしてきましたし、効果を感じています。
もともとの長男くんの姿からすると親目線ではずいぶん成長してくれたなぁと思っていますし、主治医の先生もよく育っていると言っていました。
発達障害の子は療育を受けないと成長しない?
ただ、実際に周りのお友達や先輩たちを見てると療育を受けたからといって爆発的に伸びるわけではないし、必ずしも成長が追い付くわけでもありません。
理解もあり、発達障害について知識もある家庭の子も同じです。
あくまで、その子のペースで成長していくのだと思います。
だからこそ、親は悩ましいのですが…。
(奇跡的な成長をしたお友達!もいるので一概には言えませんね。)
家族の関わりの工夫ぐらいでは乗り越えられない部分があるかもしれない…ということ。
そして発達障害の子供は親と別人格の人間であるということも忘れてはいけないと思います。
(こんなこと書くと心配する保護者の方がいるかもしれませんが、ちゃんとお子さんのペースで成長していきますのであまり不安にならないでくださいね。)