心配性ママの発達障害児育児☆

4歳の自閉症スペクトラム長男くんの子育てブログ。発達障害児ママの不安や戸惑った気持ち、早期療育、家庭療育について書いていきます。

【自閉症スペクトラム】削除された診断名「アスペルガー」が一人歩きする理由

2013年にアメリカ精神医学会の診断基準であるDSM-5が改定され「アスペルガー症候群」、「広汎性発達障害」といった診断名は削除されています。


日本でもこの診断基準を使って医師は患者を診察、診断しています。


つまり現在の医師の診断基準では既にアスペルガー、広汎性発達障害と言った言葉は存在しなくなっています。


それなのに「アスペルガー」と言った言葉だけ知名度が上がってきてるように思います。


その理由に迫りました。

 

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アスペルガーはいつから撤廃されたのか


2013年に19年使用されてきたアメリカ精神医学会の診断基準であるDSM-Ⅳが改正されDSM-5が改定されました。


そして大きな改正点として

自閉症、アスペルガー障害、広汎性発達障害などの分類を撤廃し

自閉症スペクトラム( autism spectrum disorders)略してASDという診断基準にまとめました。


その理由は

自閉性障害、アスペルガー障害、広汎性発達障害などの分類について19年研究してきた結果、分類を分けるほどの差違がないと判断されたそうです。

 


つまりアスペルガーの診断は古い病名で今は使われていません。


過去にアスペルガーという診断を受けた方もいらっしゃると思いますが今は自閉症スペクトラム という診断に統一されています。


では何故未だに「アスペルガー」という言葉を聞くのでしょうか?


【理由1】 発達障害者支援法に記載されているから

2007年に施行された発達障害者支援法では発達障害として下記のように示しています。(成立は2004年)

発達障害者支援法
(平成十六年十二月十日法律第百六十七号)


第二条  この法律において「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令

 

で定めるものをいう。

 

当時の診断のガイドラインではアスペルガー、広汎性発達障害などの診断名がありましたから、それらの言葉が条文に入っています。


2016年4月発達障害者支援法は改正されています。


法律はすぐ成立。すぐ施行とはなりません。


発達障害者支援法は2004年に成立し、施行されたのは2007年です。


発達障害者支援法の一部改正に向けたパブリックコメントは2010年に募集されています。


アメリカの精神医学会のガイドライン変更とタイミングが同じになり今回の改正内容に文言の修正が間に合わなかったではないかと思われます。

 

その部分は発達障害者支援法の「分類の国際的動向について」附則でふれています。


  附 則 (平成二八年六月三日法律第六四号)
(施行期日)
1  この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(検討)
2  政府は、疾病等の分類に関する国際的動向等を勘案し、知的発達の遅滞の疑いがあり、日常生活を営むのにその一部につき援助が必要で、かつ、社会生活への適応の困難の程度が軽い者等の実態について調査を行い、その結果を踏まえ、これらの者の支援の在り方について、児童、若者、高齢者等の福祉に関する施策、就労の支援に関する施策その他の関連する施策の活用を含めて検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする

意訳すると…


「なんか国際的な診断の分類が変わったみたいだけどソレ知ってるから。これからも困っている人たちのこと調べて、支援をしていくつもり。よろしく。」


…みたいな感じでしょうか。


診断名がどうあれ困っている人を支援するための法律ですからね。

 

【理由2】アスペルガーについてわかる本など過去情報の書籍が溢れている


2013年のアメリカ精神医学会のガイドライン変更前に出版された書籍に関しては「広汎性発達障害」「アスペルガー症候群」等の分類を説明した本が存在しています。


これも現在のガイドラインとは異なる内容なので

「自閉症スペクトラム」や「発達障害」などについての書籍を購入する時は出版された年度や内容を確認してから購入した方がいいかもしれません。


医師の方は2013年に原書で読まれているかもしれませんが、日本語でDSM-5が出版されたのは2014年からだそうです。

 

【理由3】ネットに アスペルガー、広汎性発達障害などの文言を説明するサイトが多く溢れている


古くからあるサイトは過去情報を元につくられておりSEO的にも目につきやすいです。


また、新しく作られたサイトでも集客目的に熱心に説明しているところもあります。


某企業が運営する発達障害情報サイトでもアスペルガー症候群について「発達障害のキホン」として説明をしています。


今後この診断がつくことは少なくなることが予想されます。

 

としながらも9500文字ほどの膨大な量で「アスペルガー」について説明しています。


すでに診断する医師のガイドラインが既に変更されているわけで詳細に説明する意味はあるの?と思いますが


世間一般でアスペルガー、高機能自閉症などの知名度が高くなっており集客の目的でサイトを作っているのでしょう。


分類をわける意味がないとされた過去基準の文言を熱心に説明するのはどうなの?と個人的には思っています。


まとめ


「アスペルガー」という診断名がなくなり「自閉症スペクトラム」になったからといって当事者の方の困りごとがなくなったわけではありません。


しかし、すでに「アスペルガー」という診断名が公的に使われていないにも関わらず

「空気をよめない」など発達障害を揶揄するために「アスペルガー」という言葉だけが継続して使われるのであれば「自閉症スペクトラム」という言葉への集約をもっと真剣に考えてもいいのではないかと思っています。


私個人のできることではないですけどね。